冬季プレイオフを振り返る

1.はじめに

レイオフは過去のリージョナルを考慮してもEU→NA→アジアの順になる可能性が今後も高く、プレイオフの間の環境変化を予想することが大事

どのようにしてメタを予想するかは人それぞれだけど、自分は過去の傾向やデータを重視するタイプなので纏めておこうと思った

数字に関しては間違っている箇所もあるかもしれないです

 

2.プレイオフ開催前

Ke1さん(自分と同じくプレイオフ出場者)のブログに詳しい記事がある

ke1poke.hatenablog.com

 

1月の環境は自分が覚えている限りでは以下のような感じだった

上旬:ラダーではレノメイジに注目が集まる。3パチ+レノロックが幾つか結果を残す。

中旬:Rduがアグロ構成で優勝する。

下旬:月末間近でtylerが3パチ+レノメイジで優勝する。ラダーではmid jade shamanが注目される

 

3.EUプレイオフ

EU Winter Prelims  ー EU参加者のデッキタイプ纏め

Hearthstone Championship Tour: Europe Winter Playoffs - Notable Decklists - News - HearthPwn 

ー 著名プレイヤーのデッキリスト

 

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注目すべきはレノメイジを持ち込んだプレイヤーが非常に多かったということである

ミラクルローグに関しては何故か土蜘蛛を搭載したリストが多く発生した(EUプレイオフまでは流行ってるという事実はなかったと思う)

3パチ+レノメイジがEUプレイオフの最大勢力で、上記の表83人中26人(31%)が持ち込んでいた

(aggro shaman, pirate warrior, miracle rogue, reno mage)

デッキパワーが総じて高く、1月に流行っていた3パチ+レノロックに有利を取れる並びなので振り返れば妥当の結果である

自分も当時EUプレイオフに出ていたら3パチ+レノメイジを恐らく持っていったと思う

(そして同じ構成が多くて失敗したと感じることであろう)

アジアプレイオフでも同じように思ったので、自分の考えるメタ・環境予想はプレイオフに出られるレベルでは多くの人が考えているということを意識してデッキを構成しなければならない

 

 

 

Hearthstone Championship Tour: Europe Winter Playoffs - Results, Decklists - News - HearthPwn

 ー top8のデッキリスト

母数が多かったこともあり3パチ+レノメイジがtop8の半数を占める結果

優勝は2016世界王者のpavelで2パチ2レノ。

2パチ2レノはかなり引きに依存するデッキ構成だと認識していて、流石世界王者のesports力だな~と思っていたし、上から引いてくるだけの引きゲーかよ~とか思っていた。

 

 

同じラインナップを自分が持ち込むことになるとは露ほども思っていないツイートである

 

 

4.NAプレイオフ

 

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1A9nsgnZc9Il3NTWkbVypK9NZroWKQrRZgN-R8f9lRck/edit#gid=0 ー NA参加者のデッキタイプ纏め

Hearthstone Championship Tour: Americas Winter Playoffs - Notable Decklists - News - HearthPwn 

ー 著名プレイヤーのデッキリスト

 

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 ・3パチ+レノメイジは全体の11%と大きく減少

・アグロ構成が全体の25%と大幅上昇

(aggro shaman+pirate warrior+aggro rogue+tempo mage)

・2パチ2レノは全体の22%

・ウォリコン入りで対アグロを見た構成も増加

 

レノメイジとミラクルローグの使用者が大きく減少し、その分アグロローグ+テンポメイジの構成を持ち込む人が増えた

アグロローグ入りの構成が2月上旬に幾つかdaily tournamentで勝っていた?こと、EUで多かった3パチ+レノメイジに強い(主に対ローグ)という理由からだと思われる

 ウォリコンが増えたのも3パチに含まれているアグロを止めたかったからなのではなかろうか

総じて、EUで結果を残した「3パチ+レノメイジを意識した選択」がされている

 

Hearthstone Championship Tour: Americas Winter Playoffs - Results, Decklists - News - HearthPwn 

ー top8のデッキリスト

 

top8はshaman+pirate warrior+2reno(2パチ2レノ)の構成が半数である

ウォリコンは全滅、アグロ構成はamnesia一人だけが残った

 

正直2パチ2レノが多く残った理由は振り返ってみてもよくわからない。

2パチ2レノは「このデッキに強い」「この構成に強い」というよりも「デッキパワーが高くて不利を取りづらい」ラインナップで特別何かにメタを張った構成でもない

デッキパワーと止められづらさが光った結果なのだろうか?

 

 

* 自分自身のデッキ選択

 

NAプレイオフを踏まえて当時考えていたこと。

aggro shamanは全デッキの中で頭一つ抜けたパワーがあると思っていたので早いうちから持ち込むことを決めていた。

banに関してはshamanはデッキタイプが分かれやすく、またaggro shamanにメタを張っても勝ち切ることが難しく相手にしたくないと思ったので出来るだけshamanをbanしたいと思った

rogueに関しては、miracleはNAで急増したアグロ構成に分が悪いこと、aggroはデッキパワーが低いと思っていたことから持ち込みたくなかった。この時点でアグロ構成を諦める。

reno mageはaggroやrenolock相手に不利を取らない(気がした)と判断、丸い選択肢だと思ったので採用を決める

pirate warriorはshamanをbanした状態では不利なデッキが少なく(有利を取れないのはレノメイジ、ウォリコン程度)、全く通らないということはほぼ無いと思ったので選択

shamanをbanするのでpriestは持ち込みたく無かったこと、druidはNAで多かった対アグロ構成に不安を抱えることから消去法でrenolockとなった

 

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「全体を通して丸いデッキを選択し、満遍なく戦える」ふわっとしたラインナップになった

 普段4hero1banでは「苦手デッキを揃えてそのヒーローをban、特定のデッキを通さない」構成を使うのだが、今回はその方法を取らなかった(取りづらかった)

aggro shamanのパワーが高すぎて対アグロ構成は取りこぼしが起きそうだと思っていたし、対レノを見て重めに寄せるのはNAで増えたアグロ構成が怖くて踏み切れなかった。アグロを使っていて相手にレノを引かれるのはどうしようもなく、リストを寄せる意味が無かったというのもある。

(アグロデッキを使うなら、できればコントロールをbanして対アグロに強めなリストを使うのがリストも寄せる意味もできて良さそうだなと感じた)

 

5.アジアプレイオフ

Asia Prelims  ー アジア参加者のデッキタイプ纏め

The Hearthstone Championship Tour: Asia-Pacific Winter Playoffs - Notable Decklists - News - HearthPwn 

ー 著名プレイヤーのデッキリスト 

 

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shaman+pirate warrior+reno mage+renolockの構成が大量に発生した(所謂2パチ2レノ)

この構成は全体の42%(酒場のヒーロー枠込み)

またリストに関しても、NAではノーコンボのrenolockが一定数居たが、アジアでは殆ど(8~9割?)がコンボ入りのレノロックを選択していた

(2レノ構成相手に不利を取らないようにするためだと思われる)

 アグロ構成はNAでも大きな結果を残せなかったこともあり減少、

control warriorも同様に大きく使用者が減った

またアジアプレイオフではドルイドが使用率を若干伸ばしている jade以外にもMalygos druidは使用者が数名存在 

同時にrogueを持ち込んだ人も多く対レノを意識した人たちなのだろう

druid持ってきた人は環境読み上手いなとリストが公開されたときに感じたのだが、top8にdruid使いは残れなかったので意外だった

 

NAで2パチ2レノがtop8の半数だったことを踏まえると、アジアではもう少しメタ構成が増えていてもおかしくなかったように思える

 

 

Hearthstone Championship Tour: Asia-Pacific Winter Playoffs - Results, Decklists - News - HearthPwn 

ー top8のデッキリスト

 

もともとの母数が多かったこともあり2パチ2レノがtop8のうち半数となった

lojomとかいう核爆弾はtop8に残るも相性の悪いb787さんとマッチングし死亡(他のtop8は全員pirate warriorを持ち込んでいたのでb787さん以外なら勝てただろう)

 

記事の上の方で2パチ2レノは引きゲーとか書いたのだが、7-0で予選を通過したsweepさんはミラーに関してはメイジbanで対海賊に寄せたリストを使っていたはずだし、8位抜けのyulsicは逆にリストをかなり重く寄せているのでしっかり仮想敵を見据えたことは差が出た要因の1つではあると思う。

 (他にtop8に入った2パチ2レノ使いは特にリストを寄せているわけではないので要因の全てではないが)

 

アグロデッキは勢いが有りすぎて止めづらく、レノデッキはリストが変わると全く別物のデッキになってしまうという、どちらにもメタを貼りづらい環境だったとは思うが、今回のアジアプレイオフに関しては対アグロに寄せるのが正解だったように見える

 

 

*まとめ的ななにか

 選手権のようなイベントに参加するのは今回が2回目で、提出するデッキを考えている時はあまり分かっていなかったが

「『直前で結果を残した構成』を意識した構成は増える」

「自分が持ち込みたいと思った構成は他の人も持ち込んでくる」

ことは意識したいとおもった

自分のことになると、苦手構成がめっちゃ多かったらどうしよう~みたいな不安が付き纏って思い切った選択も難しくなると感じたので、客観的に以前の傾向を踏まえた選択ができるようになりたい